Regional Scrum Gathering Tokyo 2020 参加レポート

Regional Scrum Gathering Tokyo 2020 参加レポート

はじめに

札幌オフィス勤務の庄田です。

社内のキャリアサポート制度を使用して、1/8〜1/10 に東京で開催された日本最大のスクラムに関するイベントである、Regional Scrum Gathering Tokyo 2020 (RSGT2020) に参加しました。

RSGTは初参加でしたが、セッションを聞いたりいろいろな方々のお話しする機会に恵まれ新しい知見を得ることができました。

レポート

このレポートでは自分がタメになった・心に残ったセッションについて報告を行います。

Keynote “James Coplien – The Ten Bulls of the Scrum Patterns”

「組織パターン」や「A Scrum Book」の著者 で スクラムコーチであるJames Coplien(通称 Cope)さんによるKeynoteスピーチ。内容は、スクラム習得のステップを十牛図(=禅の悟りいたる10段階)の内容に例え、現在自分たちはどのステップにいるのか?それぞれのステップにいる時に何を考えるかについてお話しをされていました。(十牛図について参考: https://biz.trans-suite.jp/27101)

自分として印象的だった内容は

  • 「Why」が重要。「なぜバックログが必要?」「なぜデイリースクラムがスクラムで定義されている?」 この “なぜ?” がわからないと過去のやり方を踏襲してしまいウォーターフォールに戻ってしまっていく。
  • スクラムのやり方は1つではない。「なぜ」がわかり始めるとふりかえりの中でプロセスを変えるようになっていく。失敗を恐れずどんどん実験をしていくべき。失敗がなければ改善はない。失敗するからこそもっと良くしたいと思える。
  • スクラムパターンは56あるが自分たちがどれを実践しているのか?立ち位置を知ることが重要。パターンをやって失敗したら別のものをやってみる。
  • 自分たちが十牛図のどのステップにいるのか?どのステップにいるから「良い」「悪い」ではなくただその事実があるだけ。自分たちの立ち位置を知ることが大切。
  • スクラムを実践している企業ではスプリント内で開発したものの50%がデリバリーされない。(これも失敗を許容したスクラムの中で実験を行なっている結果)
  • スクラムで大切なのはまずはチーム。チームや自分が活きているか?素晴らしいことをやっている、日々ワクワクできているか?そういう場を感じられているか?
  • 素晴らしい組織は全員が全てのことに携わっている。
  • スクラムはプロダクトを構築するのではなくプロセスを構築するもの。

と言ったものです。

認定スクラムマスター研修で受けた内容とまた違った角度でスクラムについて考えることができ非常に考えさせられました。今後の自分たちに役立ちそうなKeynoteでした。

Keynote “Michael Sahota – Lost in Translation: The Manager’s Role in Agile”

認定エンタープライズコーチ(CEC) として世界中で認定アジャイルリーダーシップ(CAL)のトレーニングをされているMichael Sahotaさんのスピーチ。
アジャイル/スクラムにおけるマネージャーとは?その役割とは?という内容についてのスピーチでした。

印象的だったもの

  • 自律的な自己組織化されたチームが理想だが、実際にはマネージャーがいないチームはあまり存在していない
  • 現状は、現場レベルで誰でもリーダーシップを取れる状況?管理職が現場へなんでも権限移譲をできる状況?このような準備がしっかりとできていない状態で、自律的な組織になろうとしてもそれは無理。
  • 相互依存の組織(ネットワーク型組織)や自律的組織(ティール組織)への急激な転換はTrap(罠)である。
  • アジャイルな組織への転換もアジャイルに行なっていく。一歩ずつ、少しずつ。
  • 仕組みから変えるのではなく、”人” から変えていく。個人を成長させる。
  • 従来の仕事のやり方から新しい仕事のやり方へ移行するには、各人が行動を変えていかなければならない。そのために各人が学ばなければならない。マインドセットの変換。XY理論(https://ja.wikipedia.org/wiki/XY%E7%90%86%E8%AB%96)。
  • ボトムアップではじめても一部分しか変わらず組織全体は変わらない。組織全体を変えるならはじめるべきはリーダーから。リーダーが変われば新しい働き方を支援できるようになる。
  • リーダーが必要なマインドセット・新しい在り方はアジャイルソフトウェア宣言に書いてある。
  • リーダーが進歩すれば周りもマグネットのように引き寄せられ変わっていく
  • いきなりY理論には変われない。意識することが大切。
  • 周りにYとして振る舞う。誰かに教えられるより体現する方が周りへの効果は何倍もある。
  • Yは出発点、そこから「傾聴」「コーチング」「メンタリング」などのプラクティスも必要。
  • アジャイルな組織に転換するのに、マネージャーも含めて1人も脱落者を出さない。
  • 新しいやり方へ、人を尊重する。そういう環境を作る。
  • アジャイルは種。肥沃な土壌があって芽が出る。環境が必要。
  • まずは自分から変わること。自分が変われば周りも変わっていく。

「ヒエラルキーはダメだ」「自己組織化が正しい」「マネージャーなんて不要」なんて話しは良く聞く話しで、そうあろうとしてもなかなかうまくいかないことに難しさを感じていましたが、「いきなりは変われない」「少しずつ」「そのためにはマネージャーが必要」という内容を聞き少し気が楽になった感じがしました。

Yoh Nakamura – みなさんのプロダクトバックログアイテムはOutcomeを生み出していますか?

ギルドワークスで様々な会社の現場コーチ/アジャイルコーチとして活躍されている 中村洋 さんのセッション。
プロダクトバックログアイテム(PBI)の価値や成果(Outcome)をどのように考えて扱うかについて2つの現場事例の紹介とスピーカー自身がどのように考えているかという内容でした。

自分もOutcomeは大事だと思いながら、ではどのように定義したり評価したりするのが良いのか?の疑問があったため、ストーリーポイントと同じようにダイヤという抽象的な概念を使い価値を見積もるという考え方はとても良いと感じました。またOutputとOutcomeは対立ではなく両輪が必要でそこを意識してはじめてROIが把握できるという内容は非常に納得感があり、現場でも少しずつ意識したりお客様と議論したりしたいと思いました。

※中村洋さんにはこの後、コーチズクリニックで1on1をさせて頂き、リモート環境でどのようにお客様を巻き込んでチームビルディングしていくと良いか?という相談をさせてもらいました。
いろいろと良いお話や事例などを交えて良いヒントを頂くことができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。

頂いたヒントをいくつか

  • リモート慣れしていないチームの場合、定期的にオフラインでミーティングをした方が上手くいくパターンが多い
  • チームとしてどのレベルまでなりたいのか期待値のすり合わせはやった方が良い
  • プロダクトのバックログだけでなく、チームビルディング用のバックログを作りチームで共有すると良いかも(洋さん自身がコーチとしてよくやっている手法とのことでした)

Tadahiro Yasuda – 日本にJoy,Incを創る!ぼくらのジョイインクジャーニー3年間の軌跡

クリエーションライン株式会社CEOの安田さんによるセッション。会社としてドン底だった2013年に、社長自身が自ら考え方を変え改革を行いどのようにJoy,Incのような会社を創ろうとして来たのかという7年間の軌跡のお話しでした。

Joy,Incは個人的にも非常に感銘を受けた本だったので、日本でどのようにして実践されているのか非常に興味を持って聞いていました。Keynote2のSahotaさんのお話しの後のセッションだったため、社長自らが変わり周りに良い影響を与え組織として変革している実例を直ぐに聞くことができました。
また、この会社もリモートワークを実践し全国に社員がいる中で、うまくワークショップや雑談を行い会社のエンゲージメントを高めているようで非常に参考になりました。(メンバーズエッジでもやっていきたい)

全体を通して

3日間イベント中もイベント終了後の懇親会も含めて終始楽しくたくさんの方々と交流できました。本当に参加してよかった!チケット販売後即売り切れるという過酷な争奪戦が繰り広げられますが、是非とも来年も参加したいと思います。

今年はこの後も、スクラムフェス札幌スクラムフェス大阪とスクラムに関するイベントがまだまだあるので、そちらでもたくさんの人達と交流させて頂きます!(スクラムフェス札幌は運営をやってます)

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