メンバーズエッジカンパニー 社外アジャイルコーチの中野 安美です。ブログを見ていただきありがとうございます。
2020年11月17日~18日に「Agile Japan 2020」がOnline開催されました。Onlineにも関わらず、800名のみなさまにご参加いただき、35社の企業様にご協賛いただきました。本当にありがとうございました。
私は実行委員長としてこのカンファレンスに関わらせていただきましたが、このような機会をいただけたことは本当にありがたく、感謝しかありません。
「変わる勇気・変えない勇気」
今年のテーマは「変わる勇気・変えない勇気」としました。今の日本企業は既存ビジネスや価値観を見直す事が求められています。コロナによる社会環境の変化、先の見通せない不透明さが更に増した状況において、大きな勇気をもってチャレンジしていく事が求められています。
しかし、組織や既存ビジネスなど従来からすぐには変える事が出来ない部分もあり、将来はマイナスの影響が起こるとわかりながらも当面は変えないと勇気をもって決断していくことも必要になっています。このような思いからテーマを決めました。
今年の主なポイント
今年のポイント3点をご紹介します。
基調講演 経済産業省 和泉さんのご講演
他のカンファレンスで和泉さんのご講演を拝聴し、ぜひAgile Japanでもご登壇いただきたく、今回お願いしました。和泉さんの講演は、様々なデータからの分析やご自分で実際に見た事例をもとに熱い思いが溢れていて、参加者アンケートでもとても好評でした。和泉さんからご講演の中で次のメッセージをいただきました。
- DXの本質を考えると、現状の大規模システムのような開発スタイルではなく、必然的にアジャイルになること
- まずは市場に出してみる事で、企業が想定していなかったサービスの様々な用途が発見される
- 今後は経営トップのビジョンとアーキテクチャ(全体設計)が非常に大事になってくる
また、和泉さんよりお薦めの書籍「小さなチーム、大きな仕事 -働き方の新スタンダード- ジェイソン・フリード&デイビィッド・ハイネマイヤー・ハンソン著」もご紹介いただきました。ぜひみなさんも手に取ってみてはいかがでしょうか?
JBpressに和泉さんの講演内容が掲載されていますので、こちらもご覧ください。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63037?page=1
アジャイルを取り巻く契約、会計、人事、Techを取り上げた
最近のアジャイル開発の広がりとともに、「委託会社との契約形態はどうしたらいいのか?」「ソフトウェアの資産計上のタイミングはどのように考えたらいいのか?」などアジャイル開発を取り巻く様々な問題を聞くようになりました。
また、アジャイル開発はクラウドネイティブな開発で採用されているケースも多く、エンジニアの経験不足により成果物のOutputに時間がかかり、結果的にアジャイル開発がうまく進まないとなっているケースもあります。
このような背景から、アジャイルだけでなくそれを実現するために関係する重要な要素もセッションで取り上げました。この中で特に印象的だったのが、プレイベントの第1回目で株式会社ZOZOテクノロジーズの岡さんがおっしゃっていた言葉があります。
Scrumは強制ギブス(練習器具)のようなものだ
アジャイルの考え方がチームに浸透し、そしてテクノロジーを活用して毎日デプロイできる環境が整っていれば、1週間サイクルで回す必要もない。毎日リリースすればよいと。ここまで到達すると、「守破離」の“離”に達した状態ですね。私たちが目指すべき姿だと思いました。
岡さんからプレイベントに先だったメッセージをAgile Japan 2020のWebサイトに掲載していますので、こちらもぜひご覧ください。
https://2020.agilejapan.jp/
アジャイルの契約については、以前ブログでご紹介しています。https://www.membersedge.co.jp/blog/contract-for-agile-sotware-development/
多くの業種でのアジャイル開発事例セッション
今回のセッション全体を見渡すと、航空、製造、流通、農業、銀行、生保、自治体、観光など実に多くの業種でアジャイルが広がっている事がわかります。昨年よりもかなり増えたと実感しました。
セッションの中で特に印象的だったのは、星野リゾート様です。コロナ禍における会社の危機的状況におけるシステム対応、急遽決まったGo To トラベルへの対応などスピードが求められ、重要度の高いものにフォーカスしながら進めていったとの事でした。
まさにコロナ禍で大きく社会が変化しており、これから更にアジャイルが広がっていくことでしょう。
ぜひ、みなさんも様々な事例や先駆者の知見から学び、そして「自分たちのプロダクトが社会やビジネスにどう貢献するのか?」を考えて、より良いプロダクトとチームを実現していきましょう!
最後に
具体的な進め方やアドバイス、コーチングをしていただきたいという方がいらっしゃいましたら、下記リンク先より「アジャイル開発相談会」へぜひお申し込みください!

「アジャイル開発を導入したい」「アジャイル開発がうまく機能していない」とお悩みの企業様向けにアジャイル開発相談会も開催しておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。