世の中の流れの変化を受けて、リモートワークをしている方も多いと思います。メンバーズエッジでは数年前からリモート開発を行なっていますが、一箇所に集まって仕事をする通常のスタイルではなく、リモートワークで仕事をうまく進めていくためには「コツ」があります。今回はメンバーズエッジ札幌拠点で活躍する庄田が、リモートワークの7つのコツをお伝えします。
※この記事は、2020/6/10に開催されたウェビナー「リモートワーク共有会~withコロナ時代の新しい働き方~」より登壇者のLTをまとめたものです。
登壇者:庄田 宏平
株式会社メンバーズ メンバーズエッジカンパニー
メンバーズエッジ カンパニー 札幌在住エンジニア。大学卒業後、基幹システム・ECサイトなどの開発やチームマネジメントに従事。受託開発の企業在職中にアジャイルと出会い、地方からリモートでアジャイルな開発を行うため2018年にメンバーズエッジ に転職。アジャイル札幌企画運営メンバー、認定スクラムマスター(CSM®)
リモートワークの理解度の変遷
リモートワーク自体はメンバーズエッジに入社後、2018年12月より開始しました。しばらくは「リモートワーク、意外とできる」と思っていたのですが、その後お客様が変わったりプロジェクトの状況が変わることで、一気にリモートワークが難しいと感じるように。
そこから「なんとなくコツがつかめた」という状況になったのは今年に入ってから。
そこで、リモートワークがうまくいっていなかったときと、うまくいくようになった現在、何が違うのか?を整理してみました。

ここ最近、なんとなくわかってきたリモートワークの7つのコツ
- リズム
- 同期・非同期コミュニケーションの使い分け
- ハイコンテキストからローコンテキストへ
- 短いゴール
- ビデオ会議の進め方を意識する
- ビデオ会議のツール(マイク・ネットワーク)に気を配る
- ワーキングアグリーメント
リズム
まずリズムについては、個人のリズム、チームのリズム、仕事のリズムの3点が重要と考えています。個人のリズムについては、始業・終業時間(就寝・起床時間)を一定に保つこと。特に在宅ワークではこのリズムをつくることで、仕事とプライベートの頭の切り替えがしやすくなります。自宅にいる家族にとっても「だいたいこの時間に仕事が終わるな」というのがわかっていると、配慮してもらいやすい、というのがあります。
チームのリズムについては、毎日決まった時間に朝会で顔合わせを行なっています。こうすることでチームとしての始業のスイッチが入るということと、毎日顔を合わせることで、離れていてもチームの一体感をつくることができます。
最後は仕事のリズムです。こちらは毎週定例のMTGの中で1週間ごとに振り返りを行なっています。余計なスケジュールの調整がなくなったり、「毎週この時間はMTG」「何時までは開発に集中できる」など1週間単位の仕事のリズムができてくるので、普段の仕事の集中力が高まる効果がありました。

同期・非同期コミュニケーションの使い分け
リモートワークのコミュニケーションはチャットツールなどを使った非同期コミュニケーションがメインとなるかと思います。テレビ会議を利用した同期コミュニケーションもあります。それぞれの特徴を全員が理解し、チームで状況に応じて使い分けるルールを決めることが大切です。
たとえば、話せばすぐわかることをチャットでやりとりしない、とか、非同期で即時反応を求めないといったことです。見る側としては、既読時は絵文字でのリアクションを行い、見たことを相手に伝えることも大切です。
自分がリモートワークをはじめたばかりのときは、非同期コミュニケーションで即時反応をしすぎてしまって、ほかの作業に集中できなくなってしまったことがあります。
また、リモートワークがうまくいっていなかったときの反省点として、振り返ると当時は同期コミュニケーションが少なくなっており、お互いに距離ができてしまってチーム間で一緒に仕事をしている感覚が少なくなってしまっていました。ですので、このへんの使い分けは非常に大事だなと思っています。
ハイコンテキストからローコンテキストへ
リモートワークはメンバーと「同じ場所にいない」状況のため、同じ場所にいる状況と比べると、見聞きしている情報量がばらばらになりやすいです。そのため、「あれ」「これ」など、あいまいで抽象的な表現は伝わりにくくなりますし、非同期コミュニケーションではそれがより顕著になります。ですので、面倒でも説明は省略せずに伝えるとか、聴く側も多少冗長に感じてもそういうものだと認識してしっかり相手の話を聴くことが大切です。
重要なのは話す側も聴く側も、お互いが相手のことを考えることですね。

短いゴール
1ヶ月や半年などの長いゴールを設定するとなかなかモチベーションを維持しにくいです。とくにリモートワークで周りに誘惑が多い環境だと大変になります。そこで、1日や1週間単位の短いゴールを作るようにしています。朝会や、週次のMTGなどで成果の発表を行なうことで、ほどよい緊張感をもってモチベーションを維持することができます。リモート環境ではメンバーがサボっているのではないかと不安になって監視してしまう、という話も耳にします。このやり方ではゴールの達成ができていればOKなので、1日中仕事を監視する必要はありません。
ビデオ会議の進め方を意識する
ビデオ会議で一番重要だと考えていることは、「会議室とリモートは混ぜない」ということです。同じ場所にいる人に比べて、リモートメンバーは存在を忘れられがちになるので、もし1人でもリモートメンバーがいる場合はオフィスに全員いても全員それぞれPCからリモートで参加することが重要です。
もうひとつは会話の仕方について。
ビデオ会議ツールでは同時にしゃべると音が聞こえなくなります。特定の人だけが喋ることを避けたり、ほかの人が喋りやすい「間」を入れることを意識するといいでしょう。
聞き手に関しては、途中で話をさえぎって意見を言うのではなく、チャットを使う、画面越しに手を挙げるなどの工夫が必要です。
ビデオ会議のツール(マイク・ネットワーク)に気を配る
ビデオ会議で使用するツールについて、まず第一にマイクには気を配りましょう。
PCのマイクを使うこともできますが、周辺の雑音を拾いやすくなったり、発言者の声がこもりやすくなってしまうため、マイクつきのイヤホンやヘッドセットを使うことをおすすめします。新しいマイクを導入した際は、自分の声が相手にどう聞こえているか、MTG前にメンバーにチェックしてもらうと良いでしょう。MTG中は、自分が喋らないときはマイクをミュートにするのも効果的です。
次にネットワーク環境ですが、これが悪いと会議になりません。
Wifiを使っているのであれば強度を上げたり、よいルーターを購入したり、それでも電波が悪ければ有線にするなどの対策が必要です。

ワーキングアグリーメント
最後に、これまでのコツをチーム全員で認識するために、働き方の合意ということで、ワーキングアグリーメントを決めるとよいと思います。
自分でも経験したのですが、リモートワークに対する考え方はチーム全員で同じように思えますが、話してみると違っていることが多いです。
大切なのは、まず話し合うこと。合意した内容をまとめておき、定期的に見返すことです。ここがあいまいだと、途端にリモートワークが難しくなると感じました。ぜひチームでワーキングアグリーメントを作成してみてください。
今回お話させていただいた内容の、ひとつでもみなさんのお役に立てれば嬉しいですし、日本全体でリモートワークが働き方として定着していくといいなと思います。